PDFによるデータ入稿の有用性と注意点
- 更新日:2015/3/28
- 印刷関連情報
一昔前の印刷現場ではドキュメントを作成したアプリケーションデータそのものを印刷現場でプリントする形が取られていました。しかしこの場合,リンク切れやフォントがインストールされていないことによるフォントの置き換わり,またファイルサイズの大容量化などの問題が生じやすく,不都合が生じることが多々ありました。
そこで最近多くなってきたのが,PDF形式によるデータ入稿です。
PDF形式にはいくつかの種類があります。主なものを挙げると,高品位印刷,プレス品質,標準,PDF/A-1b:2005(CMYK),PDF/A-1b:2005(RGB),PDF/X-1a:2001(日本),PDF/X-3:2002(日本),PDFX4 2007 JPN などです。しかし,印刷業者にデータを渡す際には,「PDF/X-1a:2001(日本)」という形式で書き出したPDFであれば,フォントが埋め込まれた形になるので,予期せぬトラブルを避けることができます。
では,どのようにして「PDF/X-1a:2001(日本)」形式のPDFを作成できるでしょうか?DTPアプリケーションにはPDFに書き出す機能が備わっており,その中に「PDF/X-1a:2001(日本)」形式で書き出すための選択項目がありますので,トンボの設定などと共に書き出すことができます。なお,アプリケーションのプリント機能からもPDFを作成できますが,印刷に適した形式にならないことがあるので,使用は避けた方が良いでしょう。
さて,作成したPDFでデータ入稿する際の注意点ですが,まず,データに挿入されている画像やイラストの解像度に注意する必要があります。もし低解像度の画像が用いられている場合,印刷自体も低画質となってしまうので,PDF変換前のアプリケーションデータ作成の際に,できるだけ高解像度の画像を用いることが大切です。
さらに,原寸サイズで作成されたポスター印刷用のPDFの場合は,3mmほどの塗り足しとトンボを付けた状態のPDFがよいでしょう。また,PDFの埋め込み機能がないフォントを使う場合は,元データの段階で必ずアウトライン化した上でPDFを作成するようにします。
PDFデータ入稿は印刷関係におけるデータ受け渡しの主流になっていく可能性があるので,作成方法と注意点,またデータの受け渡し方法等を抑えておいた方が良いと思われます。