マーケティング活動としてのポスターの効果性を測定する方法

ポスターとは、わたしたちが日常生活で目にしないことはないと言っていいほど広く普及した媒体です。辞書には「広告・宣伝のための、図案・写真・文章などからなるはり紙」と定義されています。駅やビルに掲示されている大々的なものから、電信柱や町内会の掲示板といった小規模なものまで、人々の生活に入り込んだマーケティング活動だと言うことができるでしょう。

ここでは、マーケティング活動の一環としてのポスターの、「効果的な掲出場所のポイント」について言及したいと思います。まず、この活動の効果性を測定するには2つのポイントがあります。「リーチ」と「誘引」です。

リーチとは「どれだけ多く、アクセスすることができるか」であり、誘引とは、「どれだけ多く、ポスターを読んでもらい、望む行動してもらえるか」です。リーチは、延べ往来人数と一人当たり往来回数で測定可能です。延べ往来人数とは、ある一定の期間にその場所の前を通り過ぎた人数のことであり、一人当たり往来回数とは、同じ人がその場所の前を何回通り過ぎるかということです。これらに共通するのは「ポスターを見たかどうかに関係なく、どれだけの人がその場所の前を行き来したか」がそのポスターに触れて読んでくれる人の母数となります。

次に誘引は、「望む行動の要因がポスターである率」によって測定可能です。これらの考察によって見えてくるのは、ポスターの効果的な掲載場所は、リーチによってその情報にアクセスする母数を増やし、その人たちの中から実際に誘引して行動が引き出せる場所ということになるでしょう。

■ 延べ往来人数
延べ往来人数が多い場所の典型例としては「主要駅、空港、港、レジャー施設、観光地などの人通りの多い場所」となります。

■ 一人当たり往来回数
一人当たり往来回数が多い場所の典型例としては「ローカル駅、バス、学校、オフィスなどの生活導線上」です。

これらリーチを獲得した上で、ポスター掲出の目的に合致した行動を消費者から獲得するためには、ポスターがその要因であったことをトラッキングする仕組みが必要です。具体的には「アンケート、QRコード、AR、掲載場所ごとにID番号があり、入力してもらう」などが考えられます。

こうすることでマーケティング活動としてのポスターの有効性を適正に評価することができ、トライ&エラーを繰り返すことができるのです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ご注文サイト  

関連記事

ご注文サイト

おすすめ記事

  1. ポスターを上手に描く方法にいくつかのルールがありますが、ここでは「角版」という技法を扱います。 …
  2. ポスターを印刷業者に依頼して印刷するとなると、結構な値段がかかるのではないかと思ってしまうかもしれま…
  3. 普段私たちが目にしているようなポスターの原点は、1840年代のフランスにあると言われています。その頃…
  4. パソコンが普及したことにより、会社で使用していた、従来は印刷屋さんにお願いしていた各種の帳票用紙が消…
  5. 現在、わたしたちは気軽に読書を楽しむことができます。文字さえ読めれば、本屋で数百円払えば買って自分の…

話題をチェック!

  1. 2015/7/31

    食べられる印刷物の商品化は可能か?

    先日、アジアの某国に在住する友人からメールをもらった際、その中に特別に興味を引くニュースが目に止まり…
  2. 2015/3/18

    PDFによるデータ入稿の有用性と注意点

    一昔前の印刷現場ではドキュメントを作成したアプリケーションデータそのものを印刷現場でプリントする形が…
  3. 2015/8/4

    ポスター印刷の用紙選びに困ったら「半光沢紙」をお勧めします

    ポスターを制作するに当たっては,大きく分けて2段階の工程が必要です。それは「デザイン制作」と「印刷」…
  4. 2015/4/5

    新たなサービスの提供が求められる印刷業界

    よく、印刷業はもうだめだ。インターネットや、電子出版が進み紙媒体が廃れると言われています。本当にそう…
  5. 2015/7/9

    アイドルポスターの需要は衰えることがない

    ポスターは様々な種類があります。防災のポスター、交通安全のポスター、容疑者捜索のポスター、お店の宣伝…
ページ上部へ戻る