もしもポスターの内容を広く人に伝えようとするならば、ポスターにどんな文章を書くのか?ということがとても重要になってきます。
人というのは、あまり文章を読むことに労力を使いたくないと普段考えています。ただでさえ今の時代は情報化社会で文章にふれる機会が多いですから、逆に必要のない局面では文章を読みたくないと考えているわけです。ですから、たとえポスター内に、見た人にとってプラスになるような文章が書かれていたとしても、文章がダラダラと長い文章で書かれていたら内容はなかなか多くの人に伝わりません。
ですから、ポスターに書く文章というのは、なるべく簡潔でわかりやすい文章にしなければならないのです。簡潔でわかりやすい文章ならば、誰でも気軽にポスターに対して目を留めますので、ポスターによる伝達力をより大きくすることができます。
ポスターはスペースに限りがありますし、ポスターにおいて簡潔でわかりやすい文章、インパクトのある文章というのはとても大事なことなのです。
わたしたちは誰しも小さい頃から学校の授業でポスターを描いた経験があります。また日常生活の中であちこちにポスターを見ます。実はこれまであまり意識せずに見てきたポスターにもいろいろなことがあるのです。
ポスターの構成は、簡単に言えば、背景となっている「地」とその上にちりばめられている「図」から成り立っています。要は、「地」の上にどうやって「図」をちりばめるかでそのポスターのよしあしが決まると言ってもよいでしょう。
電車のつり革広告や建物の壁などに貼られている数々のポスターは、決してすばらしい才能にめぐまれた人にしか描けないのではありません。ポスターを作成するには「原則」があるのです。その「原則」を守りながら描けば、どんな素人でもプロ並みの作品を作ることができるのです。
ではその「原則」とは何か。まずは「文字の役割」について触れてみましょう。
ポスターの中の文字には、「タイトル」と「リード」と「キャプション」という役割があります。「タイトル」はその名の通りです。「リード」とは内容を簡単にまとめた文のこと。「キャプション」とは図版を補足する文のことです。
文字を扱う上で注意することは、まずタイトルはポスター紙面の中でインパクトのある仕方で、また簡潔な形で最も目立たせることが大切です。また文字の役割に応じて書体や大きさを変えることも必要です。一般に、ゴシック体の文字を小さな文字で表示すると読みづらくなりますので注意しましょう。文字の大きさについていえば、タイトルは最も大きなサイズで、リードはタイトルよりやや小さめのサイズで書くのがよいでしょう。
これだけでも随分ポスターの見栄えは変わってきます。
ポスターを作成する際には、どのようなポスターを作るのか完成形を思い浮かべてから作成することをお勧めします。実際に自分がそのポスターを見て魅力的に見えるかどうか、ターゲットに見てもらえるようなポスターにしなくてはなりません。そこで、ポスターに使う文字について考えてみてはいかがでしょうか。
ポスターにはついつい写真などをメインにしてしまいがちですが、写真だけでは伝わりません。あくまでも情報を伝えるのは文字なのです。それだけに、文字の与える影響というのは把握しておかなくてはなりません。
文字をどのくらいの大きさにするのか、どのフォントを使用するのかなど、文字には想像以上に幅があるものです。その他にも文字の色なども選択肢の1つなので、しっかりと文字を選択するようにしておきましょう。一般的に文字は長々と書いても意味はありません。簡潔さが求められます。
ポスターを作成するときには、写真だけでなく文字にも気を配りましょう。インパクトのある文字の存在感というのは、想像以上に大きな効果があるのです。