ポスターの内容などは自分には関係がないものだと思っている人も多いです。しかし、一概にそういったことは言えないのです。
誰しも、興味のある内容と興味のない内容というものはあるものです。ですので、ポスターに関しても自分の興味のあるポスターとそうでないものに分かれるはずです。
自分が興味のないポスターには意識がいかないでしょうし、興味のあるものには意識がいきます。このようにポスターはターゲットを定めた不特定多数の方に興味を持ってもらうことができるものになっています。しかも、ポスターは簡易に作成することができ、大量生産も可能になっています。
そして、人通りが多かったり、多くの人が集まる人目に留まるところに掲示することが可能になっているものです。こういった特徴をポスターはもっているので、非常に使い勝手のよい情報提供方法になっています。
必要な情報から、知っておいてもらいたい情報まで、多くのものをポスターを利用して配信することができます。
さて、電車内や街中でも頻繁に見られるポスター。つい最近まで、そのポスターの効果について本当に利益があるのか?と疑問に思い続けていたのですが、今回ポスターの存在を肯定する出来事に出会い、感心させらました。
先日、感動を覚えたポスターの作者である友達と久しぶりに会ったのですが、彼はまだ新人のグラフィックデザイナーで、趣味で音楽活動をやっており、最近参加しらライブのブッキングのポスターを作ったところ、なんとまったく知らない人物がそのポスターを見ただけでライブ会場へと足を運んできてくれたようです。
まず、ライブの集客は大変ということは重々承知の上でいろいろ手をつくしてきたつもりで、ポスターも制作をしたことはありました。が、効果はまったくのゼロ。
趣味の範囲で音楽をするにあたって、まったく面識のない人物がライブ会場まで足を運んできてくれることって非常に少ないんです。が、今回の話を聞いて彼のポスターを見させてもらったところ、とにかく奇抜で遠くからみても目立つデザイン。見やすさよりも奇抜さで勝負していました。まさにターゲットを定めた人目に留まるポスター。それから、必要なこと以外は一切かかないという「ミステリアス」な雰囲気も醸し出していました。
まず目に留まる為に、第一印象を濃くする。これもターゲットを定めて見てもらうための一つの工夫だなと確信しました。
ポスターをより効果的に利用するにはいくつかの方法があります。まず始めにポスターのデザインです。なるべく人の目に留まるようなデザインにすることはもちろんですが、そのポスターのターゲットとする人の目に留まるようなデザインにすることが重要です。
例えば、ポスターに使用するカラー一つとっても、年齢などによって目に留まるものは違ってきます。子供をターゲットにしているのであれば、よりポップなカラーを使用し、子供が好きなキャラクターの使用や、子供に読みやすくひらがなを多く使ったりルビをふったりすることも重要です。他にはタイトルはポスターの顔ともいえるので、よりはっきりと目立つものにすること、全体に統一感を持たせて文字やイラストがはっきりとしたものにすることなどです。中には、見る角度によって絵柄や文字が変わるという変わったポスターもあり、注目を集めています。
次に、ポスターを貼る場所です。いくら高いお金をかけて人通りの多い所にポスターを貼っても、ターゲットとなる人に多く見てもらわなければ意味がありません。主婦の人に見てほしいと思うのであればスーパーマーケットなど、学生など若い人に見てほしいのであれば学校の最寄りの駅などに貼ることでより効果を得ることが出来ます。
このように、ポスターを貼るときには、ただやみくもに貼るだけではなく、そのポスター1枚でより多くの広告効果を得るためにどうしたらよいか、ターゲットを定めて人目につくように考えることが重要になってきます。
広告で重要なのは文字がありますが、キャッチコピーとでも言いましょうか、文章のセンスがいいと一気に見てもらえるような人を引き込ませるようなことができるのです。そして、デザインがありますが、イラストや写真などいろいろな要素をひとつの作品としてまとめ上げて、こっていればいいといったことではないのですが、いかにして伝えていくのか、そして、ターゲット層やポスターを張って行くような場所の状況までも考えて、どこまでも考え抜くようなことが大事なのです。そしてこうしてポスター1枚にもたまには気になっているようなポスターの前で足を止めてそこから熱意を感じてみるといったこともいいでしょう。
そして、ポスターはアイドルを思い浮かべますが、誰でも一度は好きなアイドルやミュージシャンや俳優の方のポスターを部屋に張ってみたことがあるでしょう。そして昔はアイドルはアニメのキャラクターでしたが、アニメ雑誌の付録のポスターを部屋に張ってみたり、机に引いてみて、上に透明のアクリル板を載せてみて毎日眺めるような方も多いのです。
宣伝広告はテレビCMやラジオCMや最近はインターネット広告を思い浮かべるような方たちが多いのですが、昔からあるような宣伝広告の手段でポスターも活用次第では、十分に宣伝広告効果が高いような媒体です。そしてポスターは一般的には、電車や駅やバスなどの公共交通機関や市役所や病院の公共機関や、複合商業施設などに掲示されているようなことが多いのですが、そのほかには、学校や公園などに掲示されているようなケースがあります。
そしてある程度の人数の人たちが行き交うような場所に経時されており、通りかかるような方たちに対して情報を発信して、商品やサービスのイメージやポスターに掲載されているような標語を覚えてもらうのです。そして、このポスターを掲示し、宣伝広告にするときのポイントは、ポスターを掲示するような場所で、どのような方たちをターゲットとして何かを伝えるのかです。そして、ポスターを見る方たちの行動パターンやニーズなどを総合的に分析して、ターゲットをプロファイリングしてみて、打ち出すようなメッセージを決めるような必要性があります。
ポスターというのは、その中身のインパクトやそれそのものでの完成度も大切だが、最終的には張り出されるもの、背景に溶け込むことを忘れてはなりません。
原色多様の派手なポスターは人目につきますが、同じぐらい色鮮やかな場にあってはインパクト半減であり、それならば1色に統一する方が人目につくでしょう。逆もまたしかりで、閑静な場に派手なポスターは場違い感が甚だしく、目立っても悪目立ちという結果になりかねません。
また、あまりに背景に溶け込み過ぎるとかえってポスターとして認識されにくくなり、人によってはポスターがあったことに気づかないといったことも起こってしまいます。目立ち方のバランスを考えなければなりません。
そうはいっても、ポスターというのは基本的に不特定多数の場所に張られることを前提としているので、場所によっていちいちポスターを作り変える訳にはいきません。そこでとるべき手段は、何も場所1つ毎にポスターを用意するとまでいかなくとも、相反する2パターンのポスターを用意するということです。
背景が赤一色なら青一色も用意します。複雑なものとシンプルなものを用意します。全体を構成するパーツはほぼ同じで構わないので、印象が大きく異なる2つのパターンを用意し、場所によって使い分けるのです。たったこれだけのことで1パターンしかないポスターより圧倒的に認識度があがるものです。1パターン目では気づかない人も2パターン目で気づくということも有り得るのです。異なる視線を持つ人々を引き付ける複数のターゲットを定めるわけです。
作成中はついつい中身の完成度にばかり目がいきがちですが、物理的にも心理的にも一歩離れた視点でポスターを見る姿勢が大切といえるでしょう。
「目立つポスターを作りたい!」「カッコいいポスターを作りたい!」そんな依頼をよく頂きます。でも、そこでデザイナーは逆に質問します。「そのポスターでどうしたいのですか?」
そうなんです。ポスターを作る意味は何であるか。そこが一番重要なんです。まず目を引く。そして心に印象づける。そして行動を起こす。これがポスターはもちろん多くの広告媒体の理想の動きとなります。新しい商品発売告知のポスターなのか、企業メッセージか、それとも注意喚起のポスターなのか…。ひとえにポスターといってもその利用用途はさまざまなんです。
まず第一に重要なこと、それはターゲットが誰かということ。ターゲットの年齢層、性別等によってアプローチの方法はさまざまです。若い年齢層なら派手な色味で目を引く、もしくはなにか興味をひく仕掛けをほどこすこともいいかもしれません。特に最近ではポスターそのもに新商品を貼り付け、通行人に持って帰ってもらうなんていう斬新なアイデアも登場しています。興味を引く、商品を持ち帰るだけでなく、その人はきっと誰かと話題にする、この流れで実際にポスターを見ていない人たちにも口コミという形で宣伝することが出来ます。
またそのポスターにより何がしたいのかということ。商品を購入させたいのか、メッセージを伝えることを目的としているのかということです。それによってポスターの役割とデザイン・内容も変わってくるからです。
街中にはどこを見てもポスターであふれています。その中でより消費者、受け手に伝わるにはどうすればいいのか。まずはそこから始めることが大切です。